対話式体験談 仲居勤務編　続編

でも着物の着付けって大変だって聞くけど、苦労はなかった？

最初のうちは本当に大変でした。勤務前に鏡の前で格闘して、何度も帯を結び直していました。笑　でも、勤務先でしっかりと着付けの指導をしていただけたので、数日で一人でも着られるようになりました。忙しく動くと着崩れたり、夏は暑さとの戦いで心が折れそうになることもありましたが、二部式着物の職場を紹介してもらったことで少し楽になりました。着物に慣れると背筋が自然と伸び、気持ちも引き締まりました。

なるほど、着物も本式と二部式で着付けの大変が違うんだね、着付け未経験でも二部式着物からならチャレンジしやすそうだね。
仕事内容について詳しく聞かせて欲しいんだけど、さっき言っていた宴会のお仕事って具体的に仲居さんてなにをするの？

宴会場はお客様の人数によって担当が振り分けられ、多い時には100名以上の宴会を担当することもあります。宴会前はお部屋のセッティングや配膳の準備を行い、宴会が始まるとお料理を順番に提供します。お客様の食べるスピードを見ながら全体の流れを整えるのが腕の見せどころです。空いたお皿を下げたり、ドリンクを運んだり、時にはカラオケのお相手をすることも。最後に片付けを終えた瞬間の達成感は格別で、チームで協力して一つの場を作り上げる充実感があります。

団体のお客様だと人数も多くて対応が大変そうだね。以外とコース料理のレストランスタッフと似たような仕事内容みたいだね。

そうですね、私も最初はそう感じました。宴会も懐石料理を一品ずつお出しするスタイルなので、タイミングを見て次のお料理を提供するという点では似ています。ただ、宴会はよりアットホームで、フランクな雰囲気の中でのおもてなしになります。お客様と会話を楽しみながら進行することも多く、格式ばったレストランとはまた違った温かみがあります。和の作法やお客様への気配りなど、学ぶことも多く、接客の奥深さを感じました。

仲居さんって女将さんとか姉さんとかがいるって聞くけど実際どうなの？

はい、どこの旅館にも女将さんがいらっしゃって、職場をまとめる存在です。ベテランの仲居さんたちもいて、まさに“姉さん”という呼び方がぴったりです。最初は少し緊張しましたが、皆さん面倒見がよく、若手をしっかりサポートしてくれました。同年代のスタッフも多かったので、厳しいだけでなく笑顔が絶えない職場でした。忙しい時には自然と声を掛け合い、助け合う雰囲気ができていて、まさに「チーム」で働いている感覚でした。

怖そうとか厳しそうってイメージがあるけど大丈夫だった？

最初のうちは確かに少し怖かったです。動き方も言葉遣いも分からず、注意されることもありました。でも、それは「きちんと学んでほしい」という思いからの指導でした。仕事を覚えるにつれて先輩方もどんどん優しくなり、笑顔で声をかけてくれるようになりました。厳しさの中に愛情があるというか、「あなたならできるよ」と支えてくれる人ばかりで、気づけば尊敬する人がたくさんできていました。

旅館で働くことが多い私さんだけど、温泉って入浴可能だった？

勤務先によって違いましたが、ありがたいことに多くの旅館では従業員も温泉を無料で利用できました。お客様がいない時間帯に入ることができたので、仕事終わりに温泉で疲れを癒やすのが何よりのご褒美でした。もし利用できない旅館でも、周辺には日帰り温泉が多く、休日に気分転換として立ち寄っていました。温泉地ならではの贅沢な環境で、まさに心も体もリフレッシュできる最高の職場環境でした。

泉がすぐに入れる環境で生活ができるって羨ましい、、、。だからお肌かつるっとしていて綺麗なんだね。笑
では最後に、仲居さん経験者としてリゾートバイトを考えている人たちに一言お願いします。

仲居の仕事は決して楽ではありませんが、その分やりがいと成長を感じられる仕事です。言葉遣いや立ち居振る舞い、気遣いなど、社会に出ても役立つ力が身につきます。私自身、最初は不安でしたが、努力すれば必ず周りが助けてくれます。リゾートバイトは自分を試すチャンスでもあります。全国の仲居さん志望の方に、ぜひ一度チャレンジしてほしいです！